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【タックル法律講話】石丸伸二氏「最高裁で敗訴」という事実を忘れてはいけません
今の「言ったもの勝ち」の風潮では、情報に振り回される危険性があります

2025/06/02

石丸伸二氏「最高裁で敗訴」という事実を忘れてはいけません
今の「言ったもの勝ち」の風潮では、情報に振り回される危険性があります


石丸氏の過去の言動は?

前広島県安芸高田市長で地域政党「再生の道」代表の石丸伸二氏の「恫喝を受けた」との噓の主張で名誉を傷つけられたとして、山根温子市議が市と石丸氏に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は石丸氏の上告を受理しない決定をし、石丸氏側の敗訴が確定しました。一審広島地裁判決では、石丸氏の名誉毀損を認めて市に33万円の賠償を命じていました。
石丸氏は令和2年、山根氏ら複数の市議から「敵に回すなら政策に反対する!などの恫喝を受けた」とするSNS投稿をしましたが、広島高裁判決では、本会議の録音内容などから「市議らの恫喝はなかった」と認定されました。
この裁判の他に、石丸氏は市長選の選挙ポスター制作費未払い裁判でも全面敗訴しています。
石丸氏は市長から転身し、東京都知事選に出馬、有力候補であった元参議院議員の蓮舫氏を破り、得票数165万票以上を得て2位となるなど旋風を巻き起こしました。
しかし、最近は石丸氏人気にも陰りが見え始めています。
立ち上げた地域政党「再生の道」では、今年の東京都議選で候補者をし、36の選挙区で45人の候補者が決定しましたが、その後に、5人が辞退しています。
石丸氏のようにユーチューブなどのSNSを駆使して政治の世界で時流に乗る人物が増えています。しかし、石丸氏の過去の言動をしっかり調べれば、石丸氏の主張と事実がかなり食い違っていることに気づいた人も多かったのではないでしょうか。


「言ったもの勝ち」の風潮は危険

確かに、市議会で居眠りする議員を石丸氏が叱責する動画は、痛快で、「バズり」ました。しかし、あの真相は、叱責された市議は体調が思わしくなく、その後、診断書も提出していますが、石丸氏は見ることもなくシュレッダーにかけてしまっているのです。
SNSでは、自分に都合が悪い情報は出しませんから、安易に信じることは危険です。ネット上に流れる情報の濁流に流されないようにネットリテラシーを高めるしかないのですが、現実には難しいでしょう。
少なくとも我々有権者は「石丸氏の敗訴」という事実をしっかりと記憶して、その後の彼の言動をチェックして判断すべきです。
これまでは日本人はウソを言わないのが当たり前でしたが、ウソを言っても「言ったもの勝ち」というのが今の社会の風潮です。そのウソを打ち消す作業には膨大な労力と時間がかかります。
日本人の倫理観が麻痺してしまった現代で、私たちが最低限やらなければならないことは、見るSNSを厳選するか、「この情報はおかしいのでは?」という感受性を持つことです。溢れる情報の中でも事実を探す目だけは失くしたくないものです。それでは次号で!