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【タックル法律講話】大騒ぎの大相撲八百長問題! いっそ、日本相撲協会は「宗教法人」になればいいのでは?

2011/03/30

大騒ぎの大相撲八百長問題!
いっそ、日本相撲協会は「宗教法人」になればいいのでは?


八百長は一切なかった?

最近、大相撲の八百長問題で大騒ぎですね。
この問題が発覚した二〇一一年二月、日本相撲協会の放駒理事長は「八百長は過去には一切なかった問題で、新たに出た問題だ」と述べて謝罪し、春場所の中止を決定しました。また、菅首相は、「八百長があるとしたら、重大な国民への背信行為だ!」などと述べました。
しかし、こんな優等生的な発言を聞くたびに、シラケてしまうのは私だけでしょうか?今までの長い相撲の歴史の中で、「八百長は一切なかった」なんてことを信じている人がどれだけいるのでしょうか?
「ガチンコ」という言葉が相撲からのものだということは、「ガチンコ」ではない相撲があったということです。観客は、これまでも、「なんとなく八百長している力士もいるかな?」という怪しさもありながら、一方では、「ガチンコで頑張っている力士もいるはずだ」という曖昧模糊としたモヤモヤを含めて、「日本の伝統に根付いた格闘ショー」としての相撲を楽しんできたのではないでしょうか?
昔から、相撲とりは「男芸者」とも言われてきました。芝居やプロレスと同じようなもので、格闘技半分、興行半分という類のものです。
それを今さら、「八百長は一切ない!」と言われても…、という感じです。

いっそ、「宗教法人」に?

相撲協会が困っているのは、このまま八百長問題が片付かなければ、「国技」のブランドを剥奪され、「公益財団法人」として認められず、税の優遇措置が受けられなくなる、ということです。
公益財団法人になれないのであれば、プロレスなどと同じく、株式会社として出直すことになりますが、これでは税の優遇措置もなく、すぐに経営は行き詰まり、相撲そのものがなくなってしまいます。
そこで提案!この際、相撲協会は、「宗教法人」として出直したらどうでしょうか!
もともと、相撲は日本固有の宗教である「神道」に基づいた神事であり、体力と健康に恵まれた男性が神前で力を尽くし、神々に敬意と感謝を示す行為なのです。そのため、礼儀作法が非常に重視されており、古代から現代に至るまで皇室との縁が極めて深いのです。
宗教法人であれば、税の優遇措置も受けられます。入場料は「お布施」?もちろん非課税です。ふざけたアイデアかも知れませんが、そうでもしないと、日本の伝統である相撲の灯を守れないかも知れません。
伝統や文化とは基本的に曖昧なものであり、西洋的感覚の「透明性」や「平等性」を突き詰めていってしまうと、面白味も神秘性もありません。決して「八百長」を認めるわけではなく、「何となく不思議だな?、よくわからないな??」という部分があるからこそ、面白い!ということを言いたいのです。 最近は、「透明性」や「平等性」という名の下に、曖昧なものは排除されてしまう傾向にありますが、「無色透明でデオドラントな社会」は面白くも何ともないばかりか、人間の活力を殺ぐことにもつながります。
相撲は「神事」。このことを再認識して、相撲を残していく道筋を考えなくてはなりません。それでは次号で!

ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2011年3月号