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【タックル法律講話】護憲か?それとも改憲か? 憲法改正のハードルを下げる96条改正は、「おまかせ民主主義」からの脱却のチャンス!

2013/06/09

護憲か?それとも改憲か?

憲法改正のハードルを下げる96条改正は、「おまかせ民主主義」からの脱却のチャンス!


世界に類を見ない硬性憲法


安倍晋三首相は、憲法96条の改正に執念を燃やしています。「国会議員の3分の2以上の賛成」という「憲法改正」の発議要件を過半数に引き下げて、憲法改正の国民投票を行い易くすべきだ、ということです。

これに対しては、「中身がないのに手段だけ緩和するなんて、けしからん!」という批判があります。「改正手続は厳格な要件を維持したまま、国民的議論を巻き起こして、国会議員の3分の2以上の賛成で発議する、そのための憲法じゃないか!」という意見です。諸外国に比べ、日本は世界に類を見ない「硬性憲法」(改正するのが非常に困難な憲法)だと言われています。護憲派は「憲法を変えると戦前の暗い時代に逆戻りしてしまう!」と言います。

しかし、一回だけ戦争に負けたことで贖罪意識を植え付けられ、「二度とあんなことをしてはいけない」と今の憲法を金科玉条のごとく守って、おとなしくしているのが今の日本です。その結果は、皆さんもご承知のとおり。中国は軍事力を拡大して日本を飲み込もうとしており、韓国は日本を挑発し、北朝鮮の拉致問題も解決しないままです。危機的な状況と言えます。


おまかせ民主主義からの脱却


日本は海に囲まれ、他国とあまり戦争をしたことがなく、元々平和主義的国家として存続してきました。ところが黒船がやってきて、欧米の侵略・植民地政策に対抗するために、「富国強兵」を進めてきました。アジア諸国を助け、欧米の植民地から解放しましたが、戦争には負けてしまいました。

世界中で、軍隊を持っていない国はごくわずかです。「軍隊」という力の裏付けなくして、どうやって、外敵の侵略から自分の身を守るのでしょうか?国民的な議論が必要です。「やっぱり、軍は必要だ!」と思う国民が増えてきたら、国民の意思に従って、憲法を変えるべきなのです。そういう意味では、護憲派の人々は、国民を信用していないと言わざるを得ません。

安倍首相の憲法改正論は、まさに、国民の覚悟を問うものと言えます。国会議員の過半数の発議で足りることになれば、国民投票が行なわれ易くなります。そうなれば、私たち国民は、好むと好まざるとにかかわらず、「軍を持つのか、持たないのか?」など国の重大な事柄について、私たち自身が決断し、投票し、その結果に責任を負っていかなければなりません。今までのような平和ボケした「おまかせ民主主義」は通用しません。世界の現実を見据えた上で、一体、どうやって、この国を守っていくのか、いよいよ私たち国民一人ひとりの覚悟が問われる時が来たといえるのではないでしょうか。


ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2013年6月