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【タックル法律講話】佐世保の女子高生殺害事件! 原因は、学校でも社会でもない。 「親子関係」にあることを直視すべきです。

2014/09/15

佐世保の女子高生殺害事件!

原因は、学校でも社会でもない。

「親子関係」にあることを直視すべきです。

悪魔の所業

また衝撃的な事件が起きましたね。七月に佐世保市で起きた女子高生殺害事件で、同じ高校に通う同級生の女子生徒が逮捕されました。この加害少女は、一人暮らしの自宅マンションで、被害者の後頭部を鈍器で殴りつけ、ヒモで首を絞めて殺害し、さらに、遺体の首と左手首を切断したそうです。まさに悪魔の所業です。被害者、ご遺族の無念さは計り知れません。加害少女は、現在、精神鑑定のために留置されており、今後、その供述内容の真偽や責任能力の有無などが調べられることになります。

しかし、この事件の原因を精神鑑定で解明できるかどうか、疑問です。報道によれば、加害少女は、小学校時代から同級生の給食に毒物を混入させたり猫を殺すなどの異常行動が見られたり、事件直前には寝ている父親を金属バットで殴りつけていたとのことです。加害少女は父親に強い殺意を抱いていたのでしょう。高校一年生なのにマンションで一人暮らし、というのも、理解しがたい親子関係です。

一体、両親は、この加害少女をどういうふうに育ててきたのでしょうか?また、この両親たち自身も、どういう親にどういう育てられ方をしてきたのでしょうか?本件の核心は、まさに、その親子関係にあります。

マスコミでは、「学校や地域社会が少女からのシグナルに気づいてあげられなかった」、「児童相談所の対応が遅れた」、「学校の心の教育が足りなかった」などの論調が目立ちますが、バカバカしいことです。子供の悪行の責任は、まず、第一に、親にあります。昔から言いますよね、「親の顔が見てみたい!」って。

加害少女の父親は弁護士、母親は教育委員会で、ともに高学歴、華麗な(?)経歴だそうですが、子育てとは何の関係もありません。むしろ、そういう親の方が、異常なほど世間体を気にしたり、強烈な学歴主義、形式主義、規範主義であることが多いため、子供は精神的に圧迫され、常に息苦しい日々を過ごし、情緒不安定になることも多いのです。

親自身にも心の闇が…

生まれつきの殺人鬼はいないわけですから、成長の過程、つまり家庭の影響が大きいのです。この加害少女の場合も、小学校時代に異変が生じた時点で、親が体を張ってでも少女と真剣に向き合い、親自身の価値観や子育ての問題点を見つめ直していれば、こんな事件は起きなかったのではないでしょうか。

人格は十二歳までに形成されると言われています。人格形成期に親からの本当の愛情を受けることができず、それが社会に対する恨みに繋がるケースはいくつも見てきました。「親学」で有名な明星大学の高橋史朗教授は、「幼少期における親の子に対する接し方によっては子供の脳の発達が阻害され、理性や感情が育たない。」と指摘しています。

学校や社会のせいにするのではなく、家庭教育の在り方とか親の役割を考え、「では、親はどうすればよかったのか?」「親自身にも心の闇はなかったのか?」ということを具体的に検証することが、何よりも大事なのではないでしょうか。それでは次号で!

ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2014年9月