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【タックル法律講話】教員らの「君が代不起立」をめぐる訴訟! 「命令には従わないが、身分は保障しろ!」という甘えた精神構造には呆れてしまいます。

2017/06/17

教員らの「君が代不起立」をめぐる訴訟!
「命令には従わないが、身分は保障しろ!」という甘えた精神構造には呆れてしまいます。

当然の判決

都立高校などの元教員3人が、卒業式などで国歌「君が代」の斉唱時に起立せず懲戒処分を受けたことを理由に定年後に非常勤教員として再雇用されなかったのは不当だとして、東京都に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は「都の教育委員会の判断に裁量権の逸脱はなかった」として、元教員らの訴えを退け、1審東京地裁の判断を支持しました。
訴訟の争点は、(1)都が出した「教員は国歌斉唱時に起立するよう徹底せよ」との通達と職務命令は、思想・良心の自由などに反して無効か?(2)元教員らの再雇用を拒否した都教委の判断は裁量権の逸脱か?などでした。
東京高裁は、「国歌を起立して斉唱するのは儀礼的な行為であり、個人の内心の自由を直接的に侵害するものではない」とし、「保護者らも参加し、全校を挙げて行う式典は円滑に運営される必要がある」として違法性はないとしました。
また、再雇用の拒否についても、「通達と職務命令は式典の厳粛さを守るためのもので、公務員は法令などに基づく決定・指示に従うべき。不起立は式典の出席者に違和感を与え、厳粛さを害す行為で、元教員らは公然と反する行動を取った」とし、「過去に命令に反する行為をした元教員らを再雇用しなかったとしても違法性はない」と結論付けました。判決後、元教員らは「不当判決だ」として、上告する意向を示しました。
東京高裁の判決は当然です。公務員には法律を遵守する義務がありますから、「国歌国旗法」の趣旨から、起立斉唱しなければ処分されるのは当たり前のことです。


最高裁の裁判官にも注目を

国歌国旗を巡るこの手の裁判は以前から起きていますが、いい加減に最高裁ではっきりさせてもらいたいものです。公務員であり、税金から禄を食んでいるにもかかわらず、「命令には従いたくないけど、身分は保障してくれ」って、どれだけ身勝手で甘えた人達なのだろうと思います。我々民間人には到底理解できない感覚ですね。
最高裁には良識ある判断を期待したいところですが、ただ、最高裁の中にも、首を傾げたくなるような判決を出す裁判官がいますので、まだ予断を許しません。
我々国民には、おかしな裁判官を罷免する権利(最高裁裁判官国民審査)があるのですが、これまで罷免された裁判官はいません。判断材料が乏しいこともありますが、制度上、不信任(×印)を付けなければ「罷免しない」という意思にカウントされてしまいます。この制度が、信任(○印)の数が過半数以上でないと罷免されてしまうという運用になれば違ってくるのでしょうが、今の運用では、何も書かない(無印)場合は、「白紙委任」ということになり、「信任」にカウントされてしまうのです。
つまり、国民が自ら積極的に、「不信任(罷免)」の意思を示さない限り、おかしな裁判官であっても辞めさせることができないのです。我々国民はそのこともしっかり認識して、最高裁の裁判官の判断に注目しなくてはなりませんね。それでは次号で!