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【タックル法律講話】小金井市女子大生ストーカー刺傷事件! 被害者の人生は台無しに・・・。 「自分の身は自分で守る」という当たり前の意識が必要です。
2017/04/17
小金井市女子大生ストーカー刺傷事件!
被害者の人生は台無しに・・・。
「自分の身は自分で守る」という当たり前の意識が必要です。
再犯防止の難しさ
昨年5月に起きた「小金井市女子大生ストーカー刺傷事件」。芸能活動を行っていた女子大生(当時20歳)を自称ファンの男がツイッターなどのSNS上でストーカー行為を繰り返した後、ライブハウスにてナイフで刺殺しようとし重体に陥らせた事件です。男は女子大生に贈ったプレゼントを返送されるなどしたため一方的に逆恨みし、顔面、首、胸などを執拗にナイフで何度も刺しています。
先日、東京地裁立川支部は、被告人に殺人未遂などで懲役14年6月の判決を言い渡しました。裁判では、被害者の女子大生が意見陳述し、「悔しくてたまらない。(被告人は)反省していないと思う。普通に過ごすはずだった毎日を返してほしい。傷のない元の体を返してほしい。」、「犯人を野放しにしてはいけない。」などと語りましたが、被告人は「じゃあ殺せよ!」と叫ぶなどして退廷させられました。被告人の異常性と人生を台無しにされた被害者の無念さが伝わってきます。被告人は判決を不服として控訴しています。
ストーカーや性犯罪で一番問題になるのが、再犯の可能性が高いことです。被害者からすれば絶対に許せないし、出所してまたつきまとわれるのではないかという恐怖もありますから、出てきて欲しくないという気持は分かります。
しかし、殺人未遂ですから今の刑法では有期刑にしかならず、これまでの判例の量刑もありますから、この事件だけ重くするわけにもいきません。再犯を防ぐには、治るまで出所させないとか、アメリカのように出所しても居所を把握して公表するなどの措置をとるかなどが考えられますが、現実には、人権や監視の限界の問題もあり、難しいでしょう。
失われたものは取り返しがつかない・・・
おそらく被告人には資力もないでしょうから、被害者は、被害弁償も受けられず、泣き寝入りです。本当に残酷なことです。
このようなストーカー事件が起きるたびに思うことは、やはり、「自分の身は自分で守る」という意識を高めていくしかないということです。世の中にはいい人ばかりではなく、異常な人、頭がおかしい人がたくさんいます。最近は、インターネットやSNSで、誰でもいつでも自分から情報発信ができます。しかし、一方で、大衆の前で自分の素顔やプライベートを晒すことの恐ろしさも自覚すべきです。素人の女性が一人でライブをやったり、SNSに自分の容姿を載せたりすることには危険が伴います。危険がある以上、そのリスクを管理しなくてはなりません。今は、その辺の素人でもアイドルになれる時代ですが、同時に、ストーカーのようなファンにも接近されるという認識を持って飛び込まなくてはなりません。
社会が進歩すると、警察や裁判など色々な制度や仕組みが出来上がり、何となく、「社会が守ってくれる、救済される」という幻想があるのかもしれませんが、いくら制度が発達しても、所詮は人間がやっていることです。一度、失われた命や体は元には戻らないのです。
結局、人間というものは、太古の昔から変わらず、普通の人もいれば、異常な性欲や支配欲を持った人間がいるということも肝に銘じておかなければなりません。誰も守ってくれないのです。「自分の身は自分で守る」、当たり前のことを再確認して悲劇が繰り返されないことを祈ります。それでは次号で!