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【タックル法律講話】プロ野球選手の野球賭博問題。 暴力団は手ぐすね引いてカモを探しています。 脇の甘さは致命的です!
2016/04/17
プロ野球選手の野球賭博問題。
暴力団は手ぐすね引いてカモを探しています。
脇の甘さは致命的です!
危機管理意識の欠如
昨年、プロ野球巨人軍の選手三名が賭博問題で処分されて球界に激震が走りましたが、今年三月になって、新たに一人の選手の賭博問題が発覚しました。前の三選手も解雇・永久追放という重いものでしたので、今回も同じく厳しい処分が下されるでしょう。
事件が発覚したのは、賭博で負けた選手の借金を不動産会社の元社員と名乗る人物が取り立てに来たことからでした。取り立てに来た人物は、裏で暴力団とつながりがある「企業舎弟」、「フロント企業」だった可能性もあります。「フロント企業」は表向きは普通の会社ですから、実態が分かりません。どこで暴力団と接点を持ってしまうのか、全く予測できないのが現状です。
今回の事件では、選手たちは、たかが賭博によって選手生命を絶たれてしまいました。「自業自得」と言ってしまえばそれまでですが、「怪しい人物や場所には近づかない」という危機管理意識が欠如していましたね。
暴力団は、カモになる一般人、特に高額所得者や有名人を巻き込もうと手ぐすね引いて狙っています。いったん関係を持ってしまったら、巧妙に脅され、騙され、ズルズルと抜け出せなくなります。先日逮捕された清原和博氏も、暴力団から通常の何倍もの値段で覚せい剤を売りつけられ、食い物にされていました。一般人はもちろんプロ野球選手などの有名人は特に気をつけるべきです。あまりにも脇が甘過ぎます。
近づいてくるのはシノギのネタ探し
プロ野球などのスポーツ選手は世故に疎いので、「タニマチ」やファンと称する人たちからチヤホヤされて、その中に暴力団関係者がいても構わず付き合う人が多いようです。また、ヤクザや親分と付き合うのがカッコいい、という倒錯した感覚もあるように思います。自分たちとは違う、任侠、暴力の世界で生きている彼らに対する一種の憧れなのでしょうか?しかし、暴力団らは、あくまでもシノギのネタを探すために近づいてきているのであって、勘違いしてはいけません。
うっかり魔が差して彼らと関係を持ってしまうのは、弁護士の世界でもあります。私が関わった案件で、相手方の暴力団関係者が、私に、「先生に五百万円渡すから、手を引いてくれ」と要請してきたことがあります。私が間に入ってきたことがよっぽど邪魔だったのでしょうね。もちろん、断りました。私は自分の依頼者のために活動しているのであって、それを裏切るようなことをするはずもありません。また、仮に、私がそこで領収証が要らない五百万円を受け取っていれば、最初は発覚しないでしょうが、いずれ何かの時に渡した側から裏社会に情報が流れて、逆に脅される危険性もあります。
おそらく、その暴力団関係者は、今までにも、相手方の弁護士に裏でお金を渡して話をうまくまとめていたのでしょうね。残念ながら、そういう話に乗ってしまう弁護士もいる、ということです。
いずれにせよ、特に、社会的地位や名誉のある人は身辺をきれいにしておかなくてはなりませんね。それでは、また次号で!