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【タックル法律講話】ゴーン被告、海外逃亡! 日本はなめられっぱなしです・・・ 「逃げ得」を許さない法整備が必要です。

2020/02/07

ゴーン被告、海外逃亡!
日本はなめられっぱなしです・・・
「逃げ得」を許さない法整備が必要です。


昨年の大晦日のカルロス・ゴーン被告の海外逃亡には驚きましたね!ゴーン被告は、年明けにレバノンで記者会見を開き、日本の刑事司法制度を批判し、逃亡の正当性を訴えました。ゴーン被告は昨年12月29日、保釈条件で指定された東京都内の住宅を1人で出て米国人男性2人と合流、品川駅から東海道新幹線で新大阪駅へ移動し、関西空港近くのホテルへ入り、そこで音響機器用ケースに潜んでプライべートジェット機で出国したとみられています。
まず、関空の警備体制が問題です。 「荷物が大き過ぎてX線検査をやらなかった」というのは、あまりにも杜撰です。刑事被告人をやすやすと国外に逃がしてしまってはいけません。
次に、保釈中の逃亡自体は今の刑法では何の罪にもならないということも問題です。本人にとって痛くも痒くもない「15億円」という保釈金が没収され、保釈が取り消されただけです。つまり、「逃げ得」なのです。「大金を犠牲にしてまで逃げることはないだろう」という楽観と、身元引受人の弁護士とともに裁判で正々堂々と戦うつもりだろうという性善説があったのでしょうか。要は、外国人の犯罪者は日本の裁判所の想定をはるかに超えているということです。
さらに、保釈の基準があいまいな点も問題です。先日、長男を殺害して刑が確定した元事務次官が保釈されました。法廷で本人が「自殺は考えていない」と明言したから、ということですが、保釈を許可した裁判官は、何とも呑気でおめでたいとしか言いようがありません。

日本の治安が悪化する恐れ

ゴーン被告が批判したように日本の「人質司法」は、確かに問題があると思います。
しかし、それとこれとは全く別問題です。自分が無実だと思っていれば、逃げずに出廷して無実を勝ち取ればいいだけの話です。恐らく、自分自身も有罪だと思っていたのでしょう。
これだけ日本を舐めきったゴーン被告の逃亡によって、国際世論が日本の司法に注目することになりましたが、不信感を与えることだけは避けなければなりません。中国の裁判では、ろくに審理もされず死刑になるケースがありますが、日本の司法がそれと同等かそれ以下というような国際社会の大誤解は何としてでも解消すべきです。日本ほど賄賂や不正が効かない裁判制度はないのですから。
被告人には、保釈される権利はあっても、逃亡する権利はありません。それを平気で逃げる、しかも日産という大企業の社長まで務めた人物がやるのですから、開いた口がふさがりません。外国人全てとは言いませんが、「正々堂々、逃げるのは恥」という日本人のメンタリティーはありません。
アメリカなどに比べて、捜査権限も弱い、司法取引も不十分、保釈された後のGPS装着義務もないのに、保釈は簡単に認める、では、どうしたら犯罪者を逮捕、起訴できて、服役させることができるのでしょうか。このままでは、世界的にも安全と言われていた日本の治安は崩壊していくことになるでしょう。早急な法整備と対策が求めれます。それでは、次号で!