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【熱血弁護士 堀内恭彦の一筆両断】「従軍慰安婦」は不適切 日弁連は「事実」に基づき活動せよ

2021/05/07

5月6日(木)、産経ニュースにコラム「熱血弁護士 堀内恭彦の一筆両断」
「『従軍慰安婦』は不適切 日弁連は『事実』に基づき活動せよ」が掲載されました。
ご一読いただけると幸甚です。

「従軍慰安婦」は不適切 日弁連は「事実」に基づき活動せよ

4月27日、菅義偉内閣は、「従軍慰安婦」という用語は誤解を招くおそれがあり適切でなく、単に「慰安婦」という用語を用いることが適切だとする答弁書を閣議決定した。
2014年に、朝日新聞が、いわゆる「従軍慰安婦」証言は事実ではなく、「朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した」という表現は誤りであったことを認めて以来、ようやく、政府の公式見解が出されたのである。大きく取り上げたマスメディアは少ないが、この閣議決定は、今後の「従軍慰安婦」問題の解決に向けて大きな意義を持つものと言えよう。
長年にわたって、世界中に「従軍慰安婦=日本軍による性奴隷」という事実無根の悪評が広まり、日本国と日本人が辱められてきたのであるから、この閣議決定を機に、より一層、世界に対する日本の名誉回復措置を図らなければならない。最終的には、「従軍慰安婦」問題の端緒となり国益を大きく損ねた「河野談話」の撤回を目指すべきである。
そして、この問題に関しては、日本弁護士連合会(日弁連)にも大きな責任があり、反省しなくてはならない。
日弁連は、1992年から「従軍慰安婦」問題を国連人権委員会に提起し、国際社会に「従軍慰安婦」が「性的奴隷」として認知されるよう、積極的なロビー活動を行った。その結果、翌年のウィーン世界人権会議において「性的奴隷制」が「国連用語」として採用され、クマラスワミ報告書において、「軍隊性奴隷制(military sexual slavery)」と明記されてしまったのである。
このような日弁連の活動が「従軍慰安婦」問題に拍車をかけたことは明らかである。当時の日弁連会長である土屋公献氏は「日弁連が、国連において、慰安婦を『性的奴隷』として扱い、国連から日本政府に対して補償を行うように働きかけた」と述べている。
そして、この土屋氏は、1995年の日弁連会長声明において、「日弁連は、一貫して慰安婦問題に関し、『性的奴隷』として日本政府に対し被害者への補償を要求し続けてきた」、「国連用語としての性的奴隷制が、いわゆる『慰安婦』として第二次大戦中に日本陸軍によって組織的に誘拐され、結局売春を強制された問題をさすことが容易に理解できよう」、「日本政府は、国連の意図を歪曲(わいきょく)することをやめ、国連決議等に鑑(かんが)み、『従軍慰安婦』被害者に対する国家による補償を可能とする立法の提案を早急に検討すべきである」と高らかに発表したのである。
今、読み返してみても、事実無根の「日本陸軍によって組織的に誘拐」とか、「売春を強制された」などの虚言を弄(ろう)し、国連を悪用して日本政府に補償を迫るこの会長声明は、「証拠に基づく事実認定」を生業とする法曹のものとは思えないほど、ひどいものである。
既に朝日新聞による誤報発表や今回の閣議決定によって、この会長声明の前提事実が大きく揺らいでいるのであるから、日弁連執行部は、会長声明の見直し・訂正を行う責任がある。
「過ちては改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ」
日弁連は、国際社会において、客観的事実に基づく正しい歴史認識が形成され、日本の基本的立場や取組について正当な評価を受けるように、まっとうな活動をしていくべきある。


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