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【メディア情報】 8月2日 西日本新聞に弁護士堀内恭彦のコメントが掲載されました。

2021/08/02

「密接交際」公表し資金源の根絶狙う警察

福岡県警は、暴力団の資金源を絶つため、関係を持つ業者の根絶に力を入れている。県暴力団排除条例が施行された2010年以降、計170社について「密接交際」などがあったと公表し、公共事業から排除するよう自治体に通報した。「暴力団と付き合えば仕事ができなくなる」との認識が浸透しつつある一方、業者が倒産するなど影響は大きい。専門家からは、職を失った従業員の支援など制度改善を求める声も上がる。

民間調査会社によると、県警が4月に排除通報した地場大手の設備工事会社(大分市)は年商約50億円。コロナ禍の影響も受けず業績は良好だったが、排除通報後、メインバンクの地銀が取引を停止し口座を凍結。手形決済ができなくなり、約2週間で破産申請に至った。従業員76人が解雇され、取引先約200社に対する負債は約30億円に上ったという。

ある地銀関係者は「暴力団との関係があれば、口座がマネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用される恐れがある。暴力団排除(暴排)の意識が高まっている今、口座凍結はスタンダードな対応だ」と説明。調査会社の関係者は「今回は会社の規模が大きく、倒産もあっという間だった。業界に与えた衝撃は大きい」と話す。

県警によると、同社など8社の代表者らは、指定暴力団幹部を交えて月1回の食事会を開き、幹部が実質経営する飲食店を訪れることもあったという。県警の捜査幹部は「排除通報に当たっては、刑事事件と同じくらい捜査を尽くしている」とする。

8社のうち福岡県の建築会社の社長は通報を機に辞職。取材に「組幹部とは古くからの知り合いで、暴力団だから付き合っていたわけではない。取引や貸し借りもないので、県警の対応は厳しすぎるとは思うが、今後は暴力団との関わりはなくしたい」と話した。

九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会の元委員長堀内恭彦弁護士は「福岡県では地元の同級生など身近に組員がいることも多く、暴排意識が浸透しきれていない。利益供与がなくても付き合うだけで暴力団の活動を支えることになる」と指摘する。

排除通報を受けた業者は一定期間、公共工事の受注や下請け参入ができなくなる。大分市の設備工事会社が倒産したケースでは、連鎖倒産なども懸念されることから、大分県が取引先向けの相談窓口を設置。7月下旬までに6社から相談があったという。

「やり直そう」を支える仕組みも必要

広末登・久留米大非常勤講師(社会病理学)は「暴力団と関係のない人たちまで影響を受けるのは理不尽だ。悪質性の程度によっては指導や警告など段階を踏んで通報に至る方法を取り入れてもいいのではないか。やり直そうという経営者や失業した従業員を支える仕組みも整えるべきだ」と強調した。

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