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【タックル法律講話】スシロー、迷惑動画で大損害!
ネット教育、動画配信会社の規制を急ぐべきです。
「性善説」ビジネスモデルも崩壊の危機へ。

2023/03/02

スシロー、迷惑動画で大損害!
ネット教育、動画配信会社の規制を急ぐべきです。
「性善説」ビジネスモデルも崩壊の危機へ。


回転ずしチェーン「スシロー」の店内で、少年が湯飲みや醤油ボトルの口をなめて戻す迷惑動画がネット上で拡散され、大問題になってますね。
スシローは「このような行為はお客様との信頼関係を損なう重大な事案」であり、「スシロー全店において事件の調査を進め、刑事・民事の両面から厳正に対処してまいります」と発表しました。
これは当然の対応です。こうしたくだらないネット上の迷惑動画を見るにつけ、ネット教育の不足を痛感します。迷惑動画を面白半分で拡散すれば、刑事・民事で責任を問われ、高額な賠償金の支払いや社会的に抹殺される危険性があります。このことを子供のころからしっかり教育すべきです。
今回の「犯人」は高校生で、親が一緒に直接謝罪したいと申し出ましたが、会社側は拒否しました。親も子も、「子供がやったことだから」「軽犯罪だから」と舐めていてはいけません。SNSの拡散力はそうした甘えを許しません。「スシロー」の株価は下落し、億単位の損害が生じているのです。
「12歳以上の子供の9割がスマホを持っている」というデータもありますから、やはり、迷惑動画による加害者・被害者を生まないためにも、教育が必要です。
 

野放しの迷惑動画

しかし、迷惑動画をアップする「ユーチューバー」は後を絶ちません。
再生回数が増えれば広告収入があるからです。先日はトルコの大地震でフェイク(にせ)動画がアップされました。
再生回数を上げるために「何でもあり」という行動に歯止めをかけるべきであり、ユーチューブ社側も自ら規制を厳しくすべきなのですが、現状は野放しになっています。迷惑動画も含め動画再生による広告が主な収入源ですから、ユーチューブ社の企業としての社会的責任は重いはずです。
また、いったんユーチューブにアップしてしまうと、簡単には削除できないことも問題です。少なくとも、アップした本人からの申し出があれば削除できるようにしないと、どんどん拡散されて被害が拡大してしまいます。
また、今回の「スシロー」事件では、「性善説」に基づくビジネスモデルが成り立ちにくくなったことも露呈しました。
人がいない「回転ずし」という形態は、「性善説」、つまり、「いたずらされない」という前提で成り立っていたのですが、それが脆くも崩れ去りました。「回転ずし」自体が、「人件費を削ってセルフで安い寿司を提供する」というビジネスモデルですから、利用客も衛生面などそれなりリスクを覚悟のうえで利用するしかないでしょうね。
ネット教育の不足、動画配信ビジネスの野放し、性善説ビジネスモデルの崩壊・・・。日本はどこへ向かうのでしょうか。それでは次号で!