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【タックル法律講話】進化する「生成AI」 一方で、「著作権侵害」のトラブルも!

2026/01/06

進化する「生成AI」 
一方で、「著作権侵害」のトラブルも!


新聞社が生成AI側を提訴!

私たちの指示に生成AIが瞬時に回答をくれる便利な世の中になりました。
しかし、その裏側で、AIが学習データとして利用している無数のインターネット記事の「著作権」が大きな問題となっています。
先日、日本経済新聞社などの報道機関が、自社の記事をAIの学習に無断で使用されたとして、AI事業者を相手取り、東京地裁に提訴しました。報道機関側は「有料会員向けの記事など多大な労力をかけて制作したコンテンツが無断で利用され、結果として新聞購読者や広告収入の減少につながった」と主張しています。
この訴訟は、私たちの生活に急速に浸透する生成AIと、既存の著作権法の関係性を根本から問う、極めて重要なものだと言えます。
確かに、他人が創作した著作物を無断で複製・利用すれば、著作権侵害となるのが原則です。しかし、生成AIの場合は少し事情が複雑ですね。AIは記事を丸ごと盗用するのではなく、無数のデータから文脈を学び、再構築して回答を生成します。この学習と創造のプロセスを、既存の「複製」という概念だけで裁くことには限界があるかもしれません。
もし、学習行為が全面的に違法と認定されれば、AIはその機能を失い、技術の進歩が大きく阻害される恐れがあります。


インターネットは「公共の広場」か?

この問題の根底には、「インターネット上に公開された情報は、誰でも自由に利用してよいのか」という本質的な問いがあります。
チラシを無料で配布したからといって、その内容を誰もが勝手に複製・転載してよいことにはなりませんよね。それと同じように、ウェブサイトで無料公開されている記事にも、制作者の著作権は厳然として存在します。
しかし、一方で、一度インターネットという「公共の広場」に情報を発信した以上、それはある種の「パブリックな情報」となり、不特定多数に利用されることを覚悟すべきだ、という意見も根強くあります。
もはや電気や水道と同じ社会インフラとなったインターネット、そして、そこから生まれた生成AIという新しい技術。これらが登場することを、現行の著作権法は全く想定していませんでした。技術の進歩と製作者の権利保護という、二つの価値が正面から衝突しているのです。
スマートフォンのスクショによる転載が著作権侵害と判断されたように、時代遅れの法律と新しい現実との間で司法が判断を下そうとしていますが、そこには限界があります。技術の発展を妨げず、かつ制作者の権利も守る。そんな新しい法律やルール作りが急務と言えるでしょう。それでは次号で!