法律用語集

保釈

被告人が一定の保証金を納めるのと引換えに、被告人の身柄を釈放し、もし、被告人が裁判中に逃亡したり、裁判所の呼出しに応じなかったり、証拠を隠滅したりした場合には、再びその身柄を拘束するとともに、納められた保証金を没取することができる制度です。
保釈については、被告人自身のほか、配偶者、親などの近親者や弁護人から請求することができます。また、起訴があれば、公判が始まる前でも後でも、判決が確定するまではいつでも請求することができます。
保証金の額は、裁判所が、犯罪の軽重、被告人の経済状態、生活環境などの一切の事情を考慮して、その事件で被告人の逃亡や証拠の隠滅を防ぐにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断して決めます。
保証金は現金で納めるのが原則ですが、裁判所の許可があれば、株券などの有価証券を代わりに納めることもできますし、場合によっては、保証金の一部の納付に代えて、雇い主や親、兄弟などの身元引受人が保証書を差し出すことも認められています。この保証書を差し出した者は、保釈が取り消されて保証金を没取されることになった場合には、保証書に記載した金額を納付する義務を負うことになります。
保証金は、被告人を間違いなく公判に出頭させるためのものであり、保釈を取り消されて没取されることがなければ、裁判が終わった後には、その結果が無罪でも有罪でも納めた人に返還されます。