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【タックル法律講話】46年前の過激派による事件の裁判!「荒れる法廷」を防ぐには、強制力ある罰則が必要です!

2017/09/01

 

46年前の過激派による事件の裁判!
「荒れる法廷」を防ぐには、強制力ある罰則が必要です!

言った者勝ち?

昭和46年(1971)の渋谷暴動事件で指名手配され、46年にわたる逃亡生活の末に逮捕、起訴された過激派「中核派」の大坂正明被告(67)。

今、その裁判の進め方に注目が集まっています。

本来は、裁判員制度の対象となる事件なのですが、事前に開かれた「勾留理由開示手続」の法廷では、傍聴席の支援者から「取り戻すぞ!」「おかしいぞ!」などの怒声や不規則発言が相次ぎ、「荒れる法廷」となりました。

このまま、正式に、裁判員裁判にしてしまうと、裁判員に大きな精神的負担や心理的プレッシャーがかかることが心配されています。

この法廷には記者席を除く一般傍聴席が10席ありましたが、このうち1席は報道関係者が座り、残り9席は支援者と思われる一般傍聴人で埋まり、相次ぐ不規則発言で9人全員が裁判官から退廷を命じられるという異常事態になりました。

ちなみに、「勾留理由開示手続」は、正式裁判前の手続ですが、一部では、被告人側の裁判引き伸ばしや支援者たちのアピールの場面として使われる場合があります。

日本には、外国のような「法廷侮辱罪」がありません。

かろうじて、暴言や喧噪などにより裁判の威信を著しく害した場合に、「法廷等の秩序維持に関する法律」によって、20日以下の監置又は3万円以下の過料に処せられるだけです。

犯罪行為では無いため、今回のような不規則発言は「言った者勝ち」になってしまいます。

そもそも裁判を傍聴する権利はありますが、傍聴人には不規則発言をする権利はないはずです。

それなのに法廷が荒れるのは、やはり、日本の裁判所に権威が無いからでしょうか?

厳しい罰則を設けるしかないと思います。
素人には荷が重い事件?

裁判員にもプレッシャーがかかります。

以前、福岡・小倉の裁判所で、暴力団幹部である被告人の知人男性が、裁判所の外で、裁判員らに「あんたらの顔を覚えとるけんね」「よろしく」などと声を掛けた事件がありましたね。

今回は過激派の人物とその仲間たちですから、もっと怖いかもしれません。

しかも、46年も昔の事件ですから、素人である裁判員が審理するには、かなり荷が重い事件だと思います。

裁判員にとっては、傍聴席には過激派が居座り、怒声や不規則発言を浴びせられ、また、顔を覚えられれば、ひとたび判所を出れば付きまとわれる危険もあります。

その上、ダラダラと長引く公判で精神的にも肉体的にもダメージを受けるでしょう。

過激派の実態を一般国民が知るいい機会にはなるでしょうが、裁判員には守秘義務がありますから、これを外でしゃべる訳にもいきません。

何のために、そこまでして裁判員裁判をやる必要があるのか?

この制度はやはり“無理筋”だと思います。

そろそろ運用を見直してもいいのではないでしょうか?

裁判員制度を続けるのであれば、少なくとも法廷が荒れることをきちんと防ぐ必要があります。

法整備を含めた厳正な運用が求められます!

それでは次号で!