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【タックル法律講話】北九州の弁護士が二千万円横領で逮捕される! ベテラン弁護士の危うい実態?
2011/04/30
北九州の弁護士が二千万円横領で逮捕される!
ベテラン弁護士の危うい実態?
えっ?!あの「人権派」弁護士が・・・
去る三月三日、北九州市の渡辺和也(六十二歳)という弁護士が、業務上横領容疑で逮捕されましたね。渡辺弁護士は、家庭裁判所から選任されて、ある死亡した男性の相続財産管理人をしていたのですが、二〇〇六年から二〇〇九年にかけて、合計十三回にわたって男性の預金口座から約二千万円を勝手に引き出して着服していた、ということです。
渡辺弁護士は、預金の引き出しなどをする際に必要な家庭裁判所の許可を得ておらず、不正に気付いた家庭裁判所が告発していたのです。
家庭裁判所も、弁護士だからこそ相続財産管理人に選任したのであり、細かなチェックはしていなかったと思います。「まさか!弁護士がそんなことをするとは?!」という気持ちでしょうが、家庭裁判所も監督責任を問われることとなります。
渡辺弁護士は、経験豊富ないわゆるベテラン弁護士で、ある新聞では、「あの人権派の渡辺弁護士が?信じられない」といった論調の記事もありました。
しかし、そもそも「人権派弁護士」という言葉自体に胡散臭さを感じますし、人権派=正義、でも何でもありません。「人権派」だって、ずるい人、悪い人は、いっぱいいます。現在のところ、渡辺弁護士が容疑を認めているか否かははっきりしませんが、仮に、事実だとすれば、「横領した」ということですから、お金に困っていたのでしょうか?
「ベテラン弁護士」ほど危ない?!
今、弁護士業界では、弁護士増加と不景気の影響によって、稼げない、食えない弁護士が、どんどん増えています。
福岡県弁護士会の会員も、一〇年前は約五百人だったのが、いまや倍の一千人近くに膨れ上がっています。弁護士同士の仕事の奪い合い、パイの食い合いがおきています。その上、東京の法律事務所も大量のコマーシャルを流し、どんどん福岡に拠点を出し始めています。弁護士同士による「仁義なき戦い」が繰り広げられているのです。
そんな中、ベテラン・年配の弁護士たちは、今までの景気のいい、儲かった時代を知っていますので、事務所の規模や生活レベルを下げることができません。そうかといって、営業活動や広告宣伝活動もやる気がない、つまり、腰が重く、頭も下げられないのです。結局、売上げは激減しているのに経費・出費は今までどおりですから、普通に考えれば、赤字、倒産なのです。
そんな時、手元に預かっているお金があれば、「ちょっと失敬」「あとで、返せばいいや」ということで、ズルズルと…、というパターンになります。
反対に、最近、弁護士になった若い人たちは、もともと競争の中からのスタートですので、「弁護士なんて、そんなに儲かるものではない」とわかっており、地道に営業活動をしたり、ホームページを作るなどして、細々と稼いでいます。むしろ、「お金」に関しては、若い弁護士のほうが安心かもしれません。「能力」はわかりませんが…。
いずれにせよ、今後、ますます、弁護士が増加して競争が激化しますので、「昔のいい生活が忘れられない弁護士」によるトラブルが増えていく可能性はありますね。皆さんも弁護士選びは慎重に!それでは次号で!
ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2011年4月号