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【タックル法律講話】弁護士が「回転寿司屋」を経営?! 法律相談の回転寿司化はご免こうむります。 日本人の労働観を取り戻そう!

2012/01/02

弁護士が「回転寿司屋」を経営?!
法律相談の回転寿司化はご免こうむります。
日本人の労働観を取り戻そう!


はじけた過払いバブル

テレビコマーシャルなどの宣伝でよく見かける東京の「アディーレ法律事務所」。代表弁護士の石丸幸人氏はテレビなどによく出ているのでご存知の方も多いと思います。何と、このアディーレ法律事務所が、「回転寿司屋」の経営に乗り出しました。
同事務所は、過払金返還請求のバブルに乗って急速に業務を拡大し、全国に十八の拠点を持ち、弁護士・司法書士が七十名以上、事務員も含めると約五百名という巨大事務所。ところが、今や過払い事件は激減し、五百名もの従業員を抱えて、新しい「メシのタネ」を探さなければならなくなったようです。事務所の見かけは大きくなっていますが、到底それに見合うような法律案件がある訳ではなく、お金があるうちに新規事業に投入しよう、ということでしょう。
弁護士が「回転寿司屋?」と聞くと時代の流れを感じますが、これからは「弁護士が寿司屋」というよりも、「多角経営の一部門に弁護士事務所がある」という位置づけになっていくのかもしれません。弁護士といっても単なる資格の一つに過ぎないので、多角経営のなかの一部門であってもおかしくありません。弁護士だけでは食えない時代になっているということです。

日本人の労働観を取り戻そう!

一九九九年以来、徐々に進められている司法制度改革の影響もありますが、これまでの「欧米中心、グローバル、拝金主義」から新しい価値観を見出さなければ、実業界同様、弁護士業界も破綻することは必至です。
そもそも、「回転寿司」自体が職人を必要とせず、本物を求めていない類のものですが、「それでもいい。安くて、そこそこ美味ければ…」という時代になっています。
弁護士という仕事は、自分の責任がとれる範囲で仕事をして依頼者の信頼を得る、大量処理には馴染まない、という職人的なものですが、人数ばかりが多い事務所になると、莫大な人件費、経費を払うために、とにかく何でも案件を引き受けて資金を回すことが目的となり。必然的に処理も荒くなってしまいます。「安くて。美味い」わけでもありません。
特別なノウハウや技術を持つ職人であれば、必ず世の中に必要とされます。すぐにはお金にならなくても,辛抱強くやらなければ職人にはなれません。弁護士も「十年でようやく一人前」という世界なのです。
本来、日本人は「働く」ということ自体に価値を見出しており、お金のためにだけに働いている訳ではないという価値観を持っています。欧米の拝金主義とは全く違います。しかし、その良き価値観も廃れてきて、ここ十年程で行き着く所まで行ってしまったように思えます。今こそ、原点に戻って働くこと、それ自体に価値を見出すことが必要なのではないでしょうか。それでは今年もよろしくお願いします!

ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2012年1月号