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【タックル法律講話】またまた福岡の弁護士が不祥事! 依頼者にお金を返さず、三億円以上の負債で自己破産! 弁護士会の対応にも問題が…

2012/05/02

またまた福岡の弁護士が不祥事!
依頼者にお金を返さず、三億円以上の負債で自己破産!
弁護士会の対応にも問題が…


裁判所の受付印の偽造もやっていた!

ニュースなどでご承知の方も多いと思いますが、先日、福岡の高橋浩文という弁護士(五一才)が依頼者からの預かり金などを流用(横領)し返還が出来なくなるなど、三億五千万円以上の負債を抱えて破産しましたね。
しかも、この高橋弁護士、実際には「訴状」を裁判所に提出していないにもかかわらず、裁判所の受付印を偽造して依頼者に嘘の説明をしていたことも判明しました。既に福岡地裁は有印公文書偽造などで刑事告発をしています。
三億五千万円のうち約二億五千万円が依頼者からの預かり金や依頼者に返還すべきお金で、被害にあった依頼者は三十六人にものぼります。
高橋弁護士は、平成十九年頃から事件処理が遅れがちになり、「預かり金を返還しない」などの苦情が福岡県弁護士会に頻繁に寄せられ、同会が指導をするたびに返還し、そのために嘘を言って他の依頼者から預かり金を受け取る、という自転車操業的な手口を繰り返していました。
これは、とんでもない話ですね!一体、億単位の大金を何に使ったのか?
高橋弁護士の破産代理人の弁護士も、破産管財人も、福岡県弁護士会も、破産に至った事情などは一切、公表していません。暴力団や闇の勢力にお金が流れた可能性もあります。私のもとにも色々な情報が入ってきていますが、ここで書くわけにもいかず…。

弁護士会業界は大迷惑

ここ最近、福岡では弁護士の不祥事が相次ぎ、食えない弁護士が依頼者のお金に手をつける、というあるまじき事態が増えています。
高橋弁護士に対しては、数年前から「預かり金を返還しない」などの苦情が福岡県弁護士会に頻繁に寄せられていたのですから、なぜ、弁護士会はその段階で懲戒処分にして名前を公表しなかったのでしょうか?そうすれば、その後の依頼者の被害は防げたはずです。まさか、高橋弁護士が元福岡県弁護士会会長の事務所に所属していたことから何らかの配慮が働いたことなどないと信じたいですが、それにしても、弁護士会が早目に懲戒処分をしなかったことが被害を拡大させた、と批判されても仕方ないですね。
こういう一握りのケシカラン弁護士のおかげで、弁護士業界自体は大変な迷惑です。弁護士は信用を失い、誰もお金を預けなくなってしまいます。
失われた信頼を取り戻すことほど困難なことはありません。ただ、司法試験が簡単になって弁護士の数が増え続け粗製濫造されている現状からは、もはや、「業界全体での信頼回復はムリ」と絶望的な気分になりますね。あとは、一人ひとりの弁護士が努力して信頼を築いていくしかありません。皆さんも弁護士選びは慎重に!それでは次号で。


ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2012年5月号