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【タックル法律講話】福岡市長が「中国から年間八百人の研修生を受け入れます!」だって?! なぜ、そこまで中国に便宜を図るのか?誰が得をするのか? 背景を見極める必要があります。
2012/08/03
福岡市長が「中国から年間八百人の研修生を受け入れます!」だって?!
なぜ、そこまで中国に便宜を図るのか?誰が得をするのか?
背景を見極める必要があります。
「地球は一つ」と言うけれど…
福岡市の高島宗一郎市長が、「中国から年間八百人の公務員研修を受け入れます!」と発表しましたね。既に、高島市長自身がわざわざ北京を訪問し、中国と研修受け入れに関する覚書を交わしています。
研修の内容は、福岡市のごみ処理や節水の技術などの習得で、中国側が一人あたり一日六千円の研修費を福岡市に支払うことから、高島市長は、「研修のビジネス化を目指す」として、さらに、「地球は一つ。海水の淡水化技術などを全て公開する。中国の技術向上が進めば、回りまわって福岡市にも恩恵がある」などと述べました。
しかし、これって、あまりにもノー天気過ぎませんか?
案の定、技術・情報の流出や中国人の出入りに不安を感じる市民からは、市への抗議や批判が殺到しています。
福岡市役所に中国人が年間八百人も出入りする、というのも、考えてみれば恐ろしいことです。一日六千円の研修費をもらってもたいした経済効果はなく、それよりも、市役所内の情報管理やセキュリティの方が心配です。そもそも、何故、日本の独自技術をタダ同然で提供する必要があるのか?なぜ、そこまで中国に便宜を図ってあげるのか?何か、うさん臭いものを感じます。
中国による地方からの切り崩し作戦?
日本は、技術や情報の流出に対する対応について、諸外国に比べ極めて不十分です。特に、民主党政権になってからは、中国、北朝鮮、韓国などへの情報の流出や漏洩問題が後を絶ちません。
米国をはじめ、英、仏、独など先進各国では、「適性評価制度(セキュリティー・クリアランス)」が確立しており、行政機関で秘密を扱うすべての者が国家に対する忠誠心や人格的強さ、正直さ、信頼性、判断力など情報保全能力を有しているか確認を受けることが法律で決まっています。
また、米国では、外国政府への国防情報の漏えいは「死刑、無期刑」などの重罰が科せられます。
「福岡市の場合は、たかが、ごみ処理や節水の技術でしょ?国防情報とは違うよ!」と思うかも知れませんが、中国が尖閣諸島、さらには沖縄に手を伸ばし、恫喝にも近い行動をとっていることを看過してはなりません。地方分権の流れとも相まって、中国による地方からの切り崩し作戦がますます加速しそうな気配です。ですから、国や行政が自ら進んで外国に情報を提供したり、人を招き入れるということには、もっともっと慎重な配慮が必要なはずです。
それにもかかわらず、あえて、中国に便宜を図る福岡市。一体、誰が得をするのか?背景を見極める必要があります。それでは次号で!
ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2012年8月