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【タックル法律講話】やはり、危険な「TPP参加」! 日本の国柄を守るために、江戸時代の「鎖国」に学ぶべきではないでしょうか。

2013/08/15

やはり、危険な「TPP参加」!

日本の国柄を守るために、江戸時代の「鎖国」に学ぶべきではないでしょうか。


「TPP反対!」で当選した議員は、どこへ?


安倍政権が誕生して早くも八ヵ月。参院選も圧勝し、安倍政権は盤石のものとなりました。しかし、問題は、「TPP」です。安倍首相は、TPP交渉参加を表明し、「国益を損なう品目については関税撤廃を阻止する」と国益を守ることを強調していますが、TPPに参加してしまえば、それも難しいでしょう。関税撤廃で危機に瀕するであろう農業、酪農だけではなく、医療、保険、金融などの非関税障壁も撤廃を余儀なくされて、日本は丸裸にされてしまいます。

TPP推進派は「平成の開国だ!」などと煽っていますが、すでに日本の関税は低く、多くの外国製品が入ってきていますから、これ以上の開国というのは意味がありませんし、日本にとっては「益少なく、害多し」です。アメリカの思惑に乗せられた格好ですね。 自民党議員の中には、 「TPP反対!」を公約として当選した人たちが大勢います。今、その人たちは、声を大にして自民党内部で戦っているのでしょうか?

安倍首相は「純粋保守派の最後の砦」と期待されていますが、反面、安倍首相のことを、「保守の仮面を被った新自由主義者だ」という人もいます。確かに、新自由主義的発想で「聖域なき構造改革」を掲げ、国民生活を苦境に追い込んだ小泉政権で、安倍さんは官房長官だったわけですからね。

今は、民主党政権の悪夢から一刻も早く日本を立て直すために安倍政権に期待せざるを得ませんが、ことTPPに関しては危うさを感じます。


江戸時代の「鎖国」に学べ


そんなことを考えながら、最近、私は、日本の伝統や文化、そして健全な社会を取り戻すには、江戸時代、つまり「鎖国」政策を再評価すべきだと思っています。

「江戸時代」=「身分制度が厳しく、鎖国して世界に遅れていた暗黒の時代」という評価は一面的過ぎます。徳川幕府は、キリスト教を先兵とした西洋の帝国主義、植民地主義のいかがわしさをいち早く見抜き、日本を守るために、「鎖国」という大胆な政策を取りました。先見の明があったと言えます。もし、あの時、「鎖国」していなければ、日本も、アフリカやアジア諸国のように、西洋の植民地とされていたことでしょう。

江戸時代の身分制度自体は良いものとは言えませんが、実際の生活では、それぞれの階層の人々は己の役割、分をしっかりわきまえ、世界的に見ても抜群に社会的安定性が保たれていました。そして、商より「農と工」が身分が上だったということは、江戸時代は農業と工業を中心とした産業国家であったということです。現代のように、金融業やサービス業などの何も生み出さない仕事が異常に発達し、国の根幹を支える農業やモノづくりの職人をないがしろにする社会ではなかったはずです。

日本は、資源と国土面積が少ない国ですから、鎖国しても他国が欲しがるようなモノや技術を作り出していくことこそが、日本の生命線なのです。

このままTPPに参加すれば、農業をはじめとする日本の伝統的産業は壊滅的な打撃を受けます。もちろん、江戸時代のような「鎖国」をすることは不可能ですが、日本の素晴らしい国柄を守り、強欲で他者から奪うことのみに血道をあげる西洋的な価値観、資本主義と一線を画するために、日本は、「経済的な鎖国」政策について、もっともっと、知恵を絞るべきではないでしょうか。では、また次号で!


ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2013年8月