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【タックル法律講話】愛人の子供も「平等」? 非嫡子の相続格差違憲判決の波紋。 「平等」の罠に陥るな!

2014/02/15

愛人の子供も「平等」?
非嫡子の相続格差違憲判決の波紋。
「平等」の罠に陥るな!


伝統的な家族観の否定


昨年、最高裁判所が、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定について、「法の下の平等を定めた憲法14条に違反する」という驚くべき決定を出しましたね。
事件の内容は次のようなものです。夫婦でレストランを経営していましたが、妻は無理がたたって入退院を繰り返していた時期、学生アルバイトとして採用された女性と夫が不倫関係に陥りました。夫は、妻と2人の子供(嫡出子)を自宅から追い出し、代わりに不倫関係になった女性を自宅に迎え入れ、2人の娘(非嫡出子)が生まれました。店では正妻と内妻の2人が働くという異様な光景が見られ、夫は常に内妻の肩を持ち、正妻には辛く当たったそうです。その夫が亡くなり、非嫡出子の娘らが「自分たちの相続分が嫡出子の2分の1しかないのは、おかしい!」と訴えていたのです。
最高裁は、「子にとって選択の余地がない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、権利を保障すべきだという考えが確立されてきている」としました。
しかし、本当にそうでしょうか?日本人の素直な感覚は、やはり、「正妻の子供と内妻の子供の相続分が同じであるのはおかしい」というものではないでしょうか?昔から、「正妻の子供と内妻(愛人)の子供を同等に扱う」という文化、価値観はありません。このような家族観は、人間の絆の最小単位である「家」を守るという意味でも、大切な価値観ではないでしょうか?ですから、この最高裁の決定は、日本の伝統的な家族観を破壊し否定する、極めて危険な発想といえます。この事件の正妻やその子供らにしてみれば、悔しくてたまらないでしょうね。


日本国憲法の「平等」の罠


戦後、日本の「家」に関する価値観は、GHQによって、ことごとく破壊されてきました。日本国憲法が定める「平等」志向のもと、民法が大規模に改正され、家督相続や長男相続制が廃止され、相続分も「平等」となりました。そして、今回の非嫡子の相続格差違憲判決や夫婦別姓の推進など、ますます、日本のタテ軸である「家」「伝統」「文化」を破壊しようという動きが加速しています。
「平等」という言葉は心地よく聞こえますが、何でもかんでも「平等」にすれば、社会はうまくいくのでしょうか?全てが「平等」になってしまえば、軸となる価値観や守るべき伝統は、全て溶けてなくなってしまいます。平等を声高に言う人々は、日本の伝統、文化、慣習などのタテ軸を破壊し、何の軸もない根無し草のような日本人を作ろうとしているのかもしれませんね。このままでは、皇室を中心とした日本の国柄まで壊される可能性があります。なにせ、彼らは、「天皇制こそ、『家』制度の象徴、不平等の最たるもの、格差の元凶だ!」と思っているのですから。我々は、日本国憲法に仕掛けられた「平等」の罠に陥らず、守るべきものを見失なわないようにしなくてはなりませんね。それでは、また次号で!


ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2014年2月