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【タックル法律講話】最近多い「通り魔事件」 なぜ、歪んだ人格が形成されるのか? 江戸時代の養育法に学ぶべきです。

2014/04/15

最近多い「通り魔事件」
なぜ、歪んだ人格が形成されるのか?
江戸時代の養育法に学ぶべきです。

社会(親?)への不満、恨み、復讐

先日、名古屋、千葉の柏市と、立て続けに、通り魔殺人事件が発生しましたね。福岡でも、JR博多駅で男性5人に包丁で切りつけてケガを負わせた事件がありました。通り魔事件は、不特定多数に対する無差別攻撃であり、極めて理不尽な犯罪ですが、よく犯人が口にするのが、「ムシャクシャしていた」「誰でもよかった」という言葉です。動機のほとんどは、「社会(親?)に対する不満、恨み、復讐」ということでしょうか。
第三者からすれば、「何て身勝手な!」と怒りに震えますが、本人にしてみれば、社会に対する不満、恨み、復讐という立派な動機があるわけです。こうした歪んだ人格が形成された背景には、何があるのでしょうか?やはり、幼少期からの生い立ち、特に、親との関係は見逃せません。いわゆる「普通の家庭」に育った「おとなしい、良い子」で、親の価値観の中に押し込められ、精神的に親から自立できていない若者が多いような気がします。そして、戦後に蔓延した悪しき平等主義のもと、同じ環境で育ち、良い学校、就職を目指し、その中から「落ちこぼれたくない」「落ちこぼれたらどうしていいかわからない」という恐怖感、切迫感があるのではないでしょうか。いったん落ちこぼれてしまうと、親からも見放され、必要以上に落ち込み、もがき苦しみ、やがて、それが社会(親?)への恨みに転化してしまう…。自己と他者の違いが分からない教育を受けてしまった結果なのかもしれません。

三歳までに心の大切さを理解させる

評論家の中には、「派遣社員やニートが増えた。格差社会が犯罪の遠因になっている。」と指摘する人もいます。
しかし、格差は昔からありましたし、むしろ、昔の方が格差はひどかったと思います。ただ、昔は、「分相応」「足るを知る」「よそはよそ、うちはうち」という健全な価値観が残っていました。近年は、インターネットの発達、情報の氾濫によって、自分の境遇を他人の境遇と比べる機会が増え、「自分だけが不遇だ!社会の底辺に沈められている!」という被害者意識に囚われやすくなっているのではないでしょうか。

このように、通り魔犯罪は、放火魔や性犯罪と同じく、犯罪性向がある人間によるものであり、「再犯」の危険性は高いと言えます。過去の親との関係、歪んだ人格形成の原因を突き詰め、清算し、改善しなければ、再び同じことが繰り返されます。したがって、刑罰を重くするだけでは犯罪は抑止できません。根本的には、親の教育力の問題です。今こそ、江戸時代の養育法「三つ心・六つ躾・九つ言葉・十二文・十五理、で末決まる」、つまり、「三歳までに心の大切さを理解させる。六歳までに日常生活のしぐさを身につけさせる。九歳までにどんな人にも失礼にならないあいさつや、世辞(せじ)を覚えさせる。十二歳までにきちんと中身が伝えられる文章を書けるようにする。十五歳までに宇宙に存在する一切のものごとのしくみや意味などを理解させる。これで将来が決まる。」を実践しなくてはなりません。それでは次号で!


ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2014年4月