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【タックル法律講話】若手警察官による上司射殺事件! 「公共心」「協調性」「我慢強さ」の欠如 根本は「家庭教育」です!

2019/03/04

若手警察官による上司射殺事件!
「公共心」「協調性」「我慢強さ」の欠如
根本は「家庭教育」です!


警察官も人材不足

交番で上司の巡査部長を拳銃で射殺したとして殺人罪などに問われた元巡査(20歳)の初公判で、検察は「日頃から能力を否定されたと感じており、当日も叱責を受け、ためていた怒りが爆発した」と指摘しました。
元巡査は警察学校卒業後の平成31年1月に彦根署に配属され、3か月足らず。殺害された上司と一緒に働き始めてからは、わずか17日目でした。元巡査は県警の調べに対し「上司から書類作成の指導を受け、ストレスのようなものが一気に爆発した」と供述しています。配属からの期間が短く、同僚らへの聞き取りなどでも上司の指導の問題点は確認されていませんから、そもそも元巡査の適性に問題があったのでしょう。
少子化の影響で警察官を志望する若者が減り続けており、警察は人材確保や若手育成に苦心しています。警察白書によると、採用試験倍率は平成22年度に約9.5倍となった以降、低下傾向です。少子化に加え、景気回復により就職活動は学生優位の「売り手市場」となり、22年度に約13万7000人だった受験者が29年度は約8万5000人に激減し、倍率は約6倍に下がりました。以前は警察官になるには狭き門だったのですが、今はハードルが低くなっています。市民の治安を守る警察が人材不足になっては大問題です。
しかし、だからと言って誰でもいいというわけにはいきません。やはり、公の心、公共心を具えた人材を採用すべきで、「公務員で安定しているから」という理由で就く仕事ではありません。警察官は犯罪者、凶悪犯、暴力団と対峙する職業ですから、そうしたストレスに耐えうる人材でなければ無理です。
 また、わずかな気の緩みで、自分や仲間の命が危機にさらされますから、厳しい階級社会、厳しい組織の規律は必要です。元巡査は「上司の指導が厳しかった」と供述していますが、高い緊張感を保つには一定の厳しさも必要で、パワーハラスメントとの線引きは非常に難しいと思います。


「家庭教育」の大切さ

こうした人材の問題に対して、大阪府警は「若手育成支援係」を設置し、各警察署などを回って、出前授業形式で書類作成などの実務指導を施しています。
また、兵庫県警では、若手への指導員の配置を各署だけに任せるのではなく、教養課がどこに誰を配置するか把握し、指導による業務負担を考慮し、指導の実績も人事評価の対象としています。
滋賀県警では、今回の事件を受け、採用2年目までの全ての警察官を対象に臨床心理士による面談を行い、職場でストレスや悩みを抱えていないか確認しています。
しかし、こうした取り組みだけでは十分とは言えません。警察官に限らず、教員など「公」に奉仕することが求められる公務員のモラルや適性の欠如が目立ちます。
最近は、ちょっと注意しただけでも、「パワハラ、パワハラ!」と騒ぎ立てる若者やその親が増えてきました。ストレスに耐える「我慢強さ」が欠如したり、組織人としての「協調性」が無いということは、そもそも、家庭教育に問題があると言わざるを得ません。
幼い頃からの家庭での躾、教育に目を向け、家庭教育のあり方を根本的に見直す必要がありますね。それでは次号で!