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【タックル法律講話】学校教員の過重労働 裁判所が賠償命令!
教育は国の根幹です。 教員数の増加と待遇改善が最優先です。

2024/09/02

学校教員の過重労働 裁判所が賠償命令!
教育は国の根幹です。
教員数の増加と待遇改善が最優先です。



現場では異常な働き方が当たり前

東大阪市立中の男性教諭(43)が、適応障害を発症して休職したのは長時間労働が原因だとして、府と市に慰謝料など計660万円を求めた訴訟で、大阪地裁は、学校長の責任を認め、計220万円の賠償を命じました。
判決によると、男性教諭は週22コマの授業のほか、学年主任、進路指導主事、野球部顧問など多くの任務を担当し、適応障害を発症。発症直前の時間外勤務は月85~165時間でした。教諭は校長に対し、不眠症状などを理由に「業務量を減らしてほしい」と要望していましたが、校長は「従来通り続けるように」と指示していました。
また訴訟の中で、市が「過労死ライン」といわれる月平均80時間超の時間外勤務をした教員らをリスト化していたことも判明。中には月194時間に上る人もいました。ところが、市は長時間労働を把握しておきながら、産業医の面談を受けさせるなどの対応策を取っていませんでした。
判決後に会見した男性教諭は「現場では異常な働き方が当たり前になっている。授業に集中し、子供に向き合えるよう、今日の判決が全国で働き方改革が進むきっかけになってほしい」と話しました。

教員にとって受難の時代

教員という仕事は本当に大変だと思います。モンスターペアレンツ、学級崩壊などうつ病にかかる教員が多いのもうなずけます。今回の訴訟で今まで「教員の自主的な活動」と見なされていたものが、過重労働だと認められたのは大きいと思います。
真面目で熱心な教員ほど自己犠牲の精神で一所懸命やりますから、その人だけにますます負担がかかり、その結果、精神的・身体的に追い詰められてしまうという悪循環があります。
「聖職者」としてのプライドもあり、弱音を吐けない教員も多いことでしょう。また、ハラスメント時代では子供たちを叱ることも躊躇しなければならず、かと言って問題が起きてしまえばその対応に忙殺されるという、教員にとっては本当に厄介な時代になりました。
全国の公立学校1897校で2558人もの教員が不足している、という調査結果が文部科学省から公表されました。現状は、教員の大量退職に対して新規の補充が間に合っていないのです。長時間労働による過酷な労働環境、部活動などの顧問による業務負担、給料などの待遇が良くない、保護者や地域住民からのクレーム、プレッシャーなど、多くの負担がのしかかり、その結果、ブラック企業並みの労働環境となり、教員志望の学生が激減してしまいました。教員が過重労働だったら、子供たちと向き合う余裕もなくなり、その結果、いじめなどの問題も起きやすくなっています。
解決策は、何よりも、教員の数を増やすことと待遇改善です。働き方を変え、残策業代を認めるなどの待遇改善をしないと教員志望の学生は増えません。役割を分担し、外注するなど教員の負担を軽減する施策を打ち出すべきです。
教育は国の根幹。教育予算を増やし、早急に根本的解決策に着手すべきですね。それでは次号で!