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「熱血弁護士 堀内恭彦の一筆両断」産経ニュースコラム7月27日(木)掲載されました。
2017/07/27
7月27日(木)、産経ニュースにコラム「熱血弁護士 堀内恭彦の一筆両断」
「朝鮮学校の無償化除外、判決を支持する」が掲載されました。
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「朝鮮学校の無償化除外、判決を支持する」
「国が朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したことは民族教育を受ける権利を奪うものであり、違法だ」として広島朝鮮学校を運営する学校法人らが提起した訴訟において、去る7月19日、広島地方裁判所(小西洋裁判長)は、学校側の訴えを全面的に退ける判決を言い渡した。
平成22年度にスタートした高校授業料無償化は、外国人を対象とする学校であっても、一定の要件を満たせば対象に指定され、授業料相当額の就学支援金が支給される制度である。学校側は「拉致問題など外交上の判断を理由に就学支援金を支給しなかったことは不当な差別であり、憲法が保障する学習権や平等権の侵害である」と主張していた。
これに対して、広島地裁の判決は、「無償化除外によっても教育を受ける権利は何ら制限されない」「北朝鮮や朝鮮総連の影響力が否定できず、適正な学校運営がされているか十分な確証が得られないとした国の判断に誤りはない」「学校側は朝鮮総連の強力な指導の下にあり、就学支援金を支給したとしても授業料に充てられない懸念がある」と判示した。同種の訴訟は、東京、大阪など全国の4か所でも提起されており、今回は初の判決である。
広島地裁の判決は、「法令に基づいた適正な学校運営」という無償化の要件を検討するにあたって、朝鮮総連との関係に着目した国の判断に裁量権の逸脱は認められないというものであって、妥当なものである。「差別」ではなく、「合理的な区別」である。
そもそも、「朝鮮学校」は、日本の学校教育法上、いわゆる「一条校」(学校教育法1条に規定される学校)ではなく、「各種学校」に位置付けられている。「各種学校」は、例えば、予備校、自動車学校、日本語学校、インターナショナルスクールなどである。朝鮮学校もこれらの学校と同様の位置付けであり、これら「各種学校」に対して無償化(就学支援金の支給)を適用するか否かについては、国に一定の裁量権がある。
学校側は、全面敗訴の判決に対して怒りを露わにし、「無償化から排除された子供たちの心の傷は裁判に勝って癒やしてやりたい」と控訴する方針であり、最高裁まで激しく争われることになるだろう。
しかし、このような学校側の主張に違和感を覚える国民も多いのではないだろうか。心の傷が癒やされるべきなのは、北朝鮮による拉致被害者とその家族である。北朝鮮は、平成14年の日朝首脳会談において日本人の拉致を認め謝罪したが、いまだに被害者全員の帰国は実現せず、何らの賠償もしていない。
多くの日本人を拉致し、今もミサイル発射を続ける北朝鮮。そのような国の影響下にある教育施設に、なぜ、私たちの税金が使わなければならないのかという極めて素朴で根本的な疑問が解消されない限り、国民の理解を得ることはできないであろう。今後、全国4か所で提起されている同種訴訟の判決も次々と言い渡される予定であるが、裁判所において、適切かつ妥当な判断がなされることを期待したい。
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