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【タックル法律講話】霊感商法「神世界」グループの教祖を逮捕! 不景気でますます増える詐欺的商売 ただし、「詐欺罪」は立件が難しい…

2011/10/30

霊感商法「神世界」グループの教祖を逮捕!
不景気でますます増える詐欺的商売
ただし、「詐欺罪」は立件が難しい…


「宗教」をカモフラージュに

先日、神世界グループの「教祖」と呼ばれる斉藤亨容疑者が逮捕されましたね。ヒーリング(癒し)サロンの客から祈願料名目などで金をだまし取った組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いです。
神世界は、傘下の複数の会社がサロンを運営するというピラミッド型の組織で、斉藤容疑者は「霊が憑いている!」などと客の不安をあおり、高額の祈願料をだまし取る手口で売り上げを増やすよう、サロン運営会社の幹部らに指示をしていました。
同グループは、全国に約二百店のサロンを展開し、二〇〇〇~二〇〇七年には除霊や祈願料名目で、計百七十五億円を売り上げていたとみられ、サロン経営会社が「教祖」側に売り上げの三〇~五〇%を上納していました。
こういった霊感商法は古くからあり、未だに消えることなく続いていて、不安を煽られ高価な物を買わされるという被害は後を絶ちません。しかし、霊感商法は「宗教」をカモフラージュに使っているため、警察が詐欺罪として立件するのが難しいことが多いのです。

買う側の任意性

霊感商法を詐欺罪として立件するには、買う側の任意性がポイントになります。「任意性」とは、自らの自由な意思決定によって買ったかどうか?ということです。「このお守りが好きだから買った」というのなら、ご利益があろうがなかろうが、詐欺にはなりません。
しかし、「あなたの魂は汚れています。大変なことになりますよ!」と洗脳されたり、どこかに連れて行かれて集団心理で買わざるを得ない状況に持ち込まれた、というのであれば、「任意性」がなかったとも言えます。
ただ、この場合でも買う時には、喜んで買っているという人は多いものです。景気が悪くなると、ますますこの手の悪徳詐欺商法が増えてくるので注意が必要です。
そういえば、二年前の民主党のマニフェストに喜んで投票した国民も、だんだん洗脳から目が覚めつつあります。
「天下り根絶」「議員の世襲禁止」「衆院定数八十の削減」「高速道路無料化」「子ども手当ての満額支給」「ムダ遣いの見直しによる財源の捻出」などなど、全く実現されていません。実現する気もない?これは「国家的詐欺」でしょうか?
やはり、詐欺は仕掛けが大きければ大きいほど、騙された側は気付かないものですね…。
それでは次号で!

ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2011年10月号