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【タックル法律講話】「在特会」による朝鮮学校に対する「ヘイトスピーチ」違法判決! 保守言論のあり方について、考えさせられる問題です。
2013/11/15
「在特会」による朝鮮学校に対する「ヘイトスピーチ」違法判決!
保守言論のあり方について、考えさせられる問題です。
目的は正しいが、手段がよくない?
学校法人京都朝鮮学園が、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)が朝鮮学校の周辺で街宣活動しヘイトスピーチ(憎悪表現)と呼ばれる差別的な発言を繰り返して授業を妨害したと訴えた裁判で、京都地裁は、在特会らに街宣禁止と約千二百万円の賠償を命じました。裁判長は、街宣やその動画をインターネットで公開した行為について、「(日本も批准する)人種差別撤廃条約で禁止した人種差別に当たり、違法だ」と指摘。「示威活動によって児童らを怖がらせ、通常の授業を困難にし、平穏な教育事業をする環境を損ない、名誉を毀損した」として、不法行為に当たると判断しました。
そもそも、ことの発端は、朝鮮学校側が公共の公園で許可なく朝礼などの学校行事を行い、住民たちが利用できないように用具などをそのまま置いて公共のスペースを長年にわたって不法占拠していたことにあります。朝鮮学校の元校長は公園を無許可で占有したとして罰金一〇万円を言い渡されています。
そもそも、この朝鮮学校の不法占拠自体が法治国家の日本ではあり得ない行動ですよね。「在特会」はこのことに抗議していたのです。
そういう意味で、「在特会」の抗議の目的自体は正しかったと思うのですが、裁判所は、その抗議の手段があまりにも過激すぎる、と判断しました。「朝鮮人を日本から叩き出せ!」、「北朝鮮のスパイ養成学校!」などと拡声器で大声で学校の周りで叫べば、日本の法律では、名誉毀損、威力妨害と判断される可能性は極めて高いのです。
粛々と、断固として
しかし、今回の判決で、一般の人々が「在特会ってひどい団体だ。朝鮮学校は可哀想・・・」との印象を持ってしまうと、ことの発端となった朝鮮学校の不法占拠の問題がクローズアップされず、本来、国民に広く知ってもらうべき朝鮮学校の実態が覆い隠されてしまいます。これでは、保守派にとっては、本末顛倒ですよね。
長年、左翼的なマスコミに抑圧されてきた保守言論が、民主党の崩壊、安倍政権の誕生によって、最近、ようやく、世の中に受け入れられつつあります。しかし、今までの鬱憤を晴らすかのような、激しく、不穏当な言動では、かえって、世の中の共感を得ることが難しくなってしまいます。
特に、ネット上でよく見られる過激な「ヘイトスピーチ」を吐く人の中には、あまり物事を深く考えず、それこそ、短絡的なお祭り気分の人も見受けられます。しかし、やはり、相手を説得し共感させるには、きちんと事実と根拠を示して、冷静な主張を繰り返すことが重要だと思います。
そういう意味で、保守的考え方を理解してもらうのは、地道で骨の折れる作業なのです。「正しいことは、粛々と、断固として」という姿勢で臨み、しっかり勉強して理論武装し、世論に訴えかけなくてはなりませんね。それでは、次号で!
ビジネス情報誌「フォーNET」掲載:2013年11月