講演会等の情報

第7回 暴力追放福岡市民大会 2017/11/09

【講演のご報告】
11月9日開催【第7回 暴力追放福岡市民大会】において,堀内恭彦弁護士が特別講演を行いました。
テーマ「暴力団対策の現状と未来 ~私たち市民にできることは何か~」
600名近い参加者の皆様にご清聴いただき誠にありがとうございました。
【講演内容】
第1 はじめに
1 民事介入暴力とは何か? ~民事に名を借りた,ユスリ,タカリ。
2 刑事的な「落とし前」と民事的な「落とし前」。
第2 暴力団の現状
1 平成4 年,暴力団対策法が成立。
2 山口組,稲川会,住吉会のビック3(全体の約8割)。
   ~山口組分裂の衝撃
3 最近の暴力団の特徴 ~「マフィア化」と「ヤクザマネー」
第3 民暴を取り扱う弁護士の仕事
1 具体的な事件への対応が中心となる。
  ヤミ金,暴力金融への対応,不当要求の排除,暴力団事務所の撤去,組長訴訟など。
2 暴排条例の広がり,暴排条項の活用(ゴルフ場からの暴排など)。
3 暴力団からの離脱,社会復帰の支援。
第4 新しい捜査手法導入の必要性
1 一番怖いのは,警察に捕まること。
2 外国のマフィア対策法は?
3 「司法取引・刑事免責」「おとり捜査」「通信傍受の緩和」などの導入。
4 法律を作るのは国会。国会議員を選ぶのは私たち。声を届ける。
第5 民事的手続の限界
1 暴力団事務所撤去訴訟 ~今の法律だけでは根本的解決は難しい。
2 損害賠償,組長訴訟~判決が出てもお金が回収できないケースもある。
第6 新しい法律の制定
1 暴力団相手に裁判を起こすのは勇気がいる。怖い,精神的負担も大きい。
2 違法収益に対する没収,課税制度を作るべき。
3 暴力団の非合法化。
第7 暴力団と「闘う」とは?
1 われわれ市民は「丸腰」。弱い。怖い。
2 静かに強い意志を持って,皆で広げていくことが大切。
3 人間一人ひとりは,とても弱い存在=「性弱説」
  ~弱いからこそ,連携を。家族,社員,地域を守るために。

【参加者の感想の一部をご紹介いたします】
・素人でもわかるように噛み砕いた表現で理解しやすかった。
・捜査側と違う目線の暴力団対策で,今後の業務に役立つ。
・市民に寄り添った内容で良かった。
・暴力団の現状を知ることができた。
・暴力団からは税金の徴収が困難なことや,暴力団であることを隠してゴルフ場を利用すると「ゴルフをプレーする利益」という経済的利益を騙し取ったことで詐欺罪で罰せられることなど興味深い話が聴けた。
・暴力団対策の心構えを学ぶことができた。
・『性弱説』というキーワードを始めて聞き,人は意志が弱いため,連携し「静かに強い意志を持って」闘うべきということが理解できた。